長過ぎた成人式の話

今日(1月9日)、成人の日なんですね。
新成人の皆さん、おめでとうございます。


剣士、ピンクと黄色の花0001
【“剣士(ピンクと黄色の花)”  2011年 原画のコピーに彩色・コラージュ  B5】

かく言う私、実は成人式をやっておりません(笑)。
なので、今回はこの話。



もともと、
「晴れ着を着てセレモニーに出るのもいいけど
自分なりにもっと『大人』として生まれ変われるようなことをしたいなあ」
なんて、漠然と考えてはいたのです。

このひとりごとが天に通じたのかどうか、
私はセレモニーに出る代わりに
その後何年もかけて、たいへんな成人式をやるはめになりました。

自分の精神をまるごと変えるような、
言ってみれば魂のデトックスみたいなものです。




私が神経科にかかりはじめたのは
たしか19歳のときだったはず。
病名はうつ病と摂食障害。
原因は、今に至るも分からないままです。


なぜって、原因になりそうな出来事がないからですよ!

たとえば摂食障害なら
好きな人にデブと言われたとか、
そういうきっかけが、ない。

原因になりそうなものと言えば、
それこそ「19年分の記憶すべて」と言うしかないのです

恐怖・怒り・不安・悲しかったこと、
家の外でも、家の中でも
ずっと心にため込んできたものが
とうとう無視しきれなくなってきたんでしょうね。

うつ病の症状は10歳くらいから出ていました。
だから中学の時には、
すでに病院にかかりたいと思っていたのですけど
機会がなかなか来なかった。

というのは、
心が沈んだり、死を考えたりする要因が
周りにたくさんありすぎて、
「心のほうが病んでいる」とはかえって考えにくくなっていたから。

今思えば、そういうときこそカウンセリングが必要なんですけどね(笑)。

病院にかかった経緯がまた変わっていて
自分で行きはじめたんです
20年近く封印していた本音を家族に(というか父に)公開して、
「アタシもう病気だから。治療しないと一生治らないから」と宣言したわけよ。


ところがねえ、
神経科にかかってピタッとよくなったかというと
そりゃ甘かった!
吐くことをやめたとたんに「食べ物を口に入れるほう」ができなくなってしまってね。

頭の中は食べ物のことに占領されていて、
大学の勉強(慶應の通信で哲学科に在籍していた)だってまるで進まず。
休学しようかと思ったぐらいです。
テンションの上下は激しく切り替わり、しかも自分で調節が一切できない。

この状態がほぼ2年弱。
その時の私は、
母が言うには「ニュースで見た飢餓の国の子供のようだった」そうです。

体が回復した後、
今度は心の回復というもっと大変な仕事が待っていた。

この飢餓期と回復期について書きだすと
1センチ厚さの文庫本2冊くらい
軽く行きそう
なので、

超ダイジェスト版で書くとすれば――


一番あぶなかったころの記録は
病院のカルテ以外、ひとつも残っていません。

私は絵も描かなければ、文章も残せなかったから。


今はあのときよりは
はるかにいい状態なので、思い出して記録することはできますよ。
こうやってブログに書いているみたいにね。

2007年にアスペルガーだと分かったのは
ひとつの転機だったな。
この年から、いま描いている世界の“原型”を描くようになりました。

獣目とアッシュエルの
一番最初の原型となった人たちに出会ったのも、このころです。


ただ、その後もうつ病は
よくない状態がながく続いたし
アスペルガーによる“理由のない強い悲しみ”によって
さらに悪化したまま2年くらい過ぎました。


2010年、26歳の時に
私は初個展を開くことができて
それでやっと、自分なりに
人生の大きな区切りをつけることができました。


だからねえ、私は
7年かけて成人式やってた、みたいなものですよ。


これは慶應義塾で哲学を学んでいた時期と
ほぼ一致するのですが、
自分がため込んできた
怨恨やら恐怖やら、どろどろした感情やらを
この期間に一生懸命浄化していたんです。




まあ、“理由のない悲しみ”がもたらした症状が
ほぼ完璧になおったのは、2011年のはじめだったから
7年かけたそのあとでも
まだ一部、ひっぱっていたことになるけどね。



私の「長過ぎた成人式」の話、いかがでしたでしょうか。

古代世界では「成年戒」と言って
大人に生まれ変わるためにたいへんな試練をくぐりぬけたものですが
私がやったのはほとんどソレ!

それにしても手間と時間かかりすぎだろ!って話ですが(笑)。

ただ、これがあったから
“絵を描く患者”から
いちおう“アーティスト”になれたかもしれない
のであって・・・


でも同じ苦労をしてほしいとは思いません(笑)。


追記
大学はしっかり卒業したぞ!!
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