汝、われとともにいませば――

私の作品世界が「キリスト教的(それもカトリック的)」というのは
よく言われることで

デビュー当時は「えええ~?」と驚き
「や、やはり三つ子の魂なのか!?」と思いましたが、

今ではさほど意外ではなくなりました。

無名戦士のピエタ ウェブ用0001
【“無名戦士のピエタ”  2011年 油彩 F20号】



だってさ、

“想わせる”どころか
一目瞭然なんだもの・・・(笑)


この油彩も、ギャルリーパリの個展「ニキの世界・プルガダイス」に
出展したものです。


“無名戦士のピエタ”
戦場で撃たれて死んだ兵士を、天使と人間の子供が抱えているところです。
うしろの何もない荒野は彼が戦った戦場と思って下さいな。

〈ピエタ〉とは宗教画のひとつで、
キリストの遺体をマリアが抱え、そのまわりを弟子がかこんでいたりする図です。
しかし中にはこういった聖人たちがいなくて、かわりに天使がキリストを抱えているものがあります。
〈エンジェル・ピエタ〉と呼ばれ、しっかりジャンルとして成立しているんですよ。
その〈エンジェル・ピエタ〉を意識して描いたのが、こちらの油彩。


“英雄的な死”であっても、その中にある痛みや悲劇的な内容を忘れたくはないなー、
と思って描きました。

“殉教”のことを聞くと、
どうしてもその勇気や高潔さに目がいってしまうけど
死ぬことはやはり人間にとって苦しいし、「不自然な」ことなんだと思う。
ましてこの人、かなり若いですしね。20代半ばくらい?


“英雄的な死”という概念 は、抑圧されせっぱつまった状況で生れるもの。
死ななくてすむなら、(命を犠牲にしなければならない状況がなかったら)
その方がよかったはずです。

たとえ彼が自分で戦うことを選んでいたとしても、
人が1人死ぬことの重さを消すことはできないでしょう。
彼、かっこいいから
きっとファンもいただろうしね。
ファンは賞賛と悲しみの間で揺れ動いてるよ、きっと。


私は大人と子供を一緒に描く時、
体の大きさの違いを誇張することが多いのです。
この絵でもそれは特徴的で、兵士の手は大きく、
反対に天使の手は意図的にかなり小さくしています。

この絵は兵士がけっこう話題になっておりました。
特に女性から、「いい体してるわ~」と・・・(!!)




この前の記事で書いた天使ちゃんとフードの子が
また出演なのですが

この二人は、ひとつの作品で一緒にいることも多くて
今回に限らず、最近の私にとってひとつのカギになっているみたいです。


ここにもいるの↓
知らなかった世界(個展) ウェブ用0001
【“知らなかった世界”  2011年 ミクストメディア B5】


2人ともまだ幼くて、
この世界のことをよく知らない。
でもいろいろな冒険を通じて、人の心とか複雑な面とかを
学んでいくのです。

天使だって、人のことを知ってこそ人を救えるんだと思うしね。



世界観についてお客さんとお話しするのは、とてもわくわくする、
興味深い体験でしたが
キリスト教的世界について1人、私の深層をみごとに見抜いた人がいました。
その方が言うには
「キリスト教世界に強い影響を受けているけど、正式な信者ではない」そうです。



・・・大正解!



ええ~何で分かったんですか?
と聞いてみたら、

「完全に教会の中に入っていたら描けない世界だから」とのこと。


たとえば私の描く黒い天使たち。
正統的な信仰の世界では、やはり天使とは
ルネサンス期に描かれたように、輝きに満ちた姿であるらしいです。

それが普通なんですって。なるほどね。

そう考えると、このプルガダイスの世界というのは
正式な信者ではないからこそ生れた世界なのかも。

私は、自分の絵画世界が確立してから
ようやく分かったのです。
いかにキリスト教的世界に影響を受けていたか
いかに神様を忘れられなかったか。
(その神様のイメージだって、
やっぱりミケランジェロの描くようなマッチョな爺さんだし・・・笑)

でも、今の私の世界には
完全に中に入ってしまったら、畏れ多くて描けないイメージが
きっとたくさんあるんだろうなあ。



でもね、正当派キリスト教的な天使だってちゃんと描いているんだぞ!
これが初めてだけど(笑)。

去年のクリスマス記事にUPしたこちらの絵さ☆

Gpari個展・栄光の天使0001
【“もとの栄光の中の天使”  2011年 水彩、鉛筆 B5】

この絵は山崎洋子さんがお買い上げ。ありがとうございます。


(しかしこれだけ見たら、とてもあの天使の元の姿だとは思えないな・・・)




私は今回の個展が始まる前に、本ブログでこう書いたはず。
「マジで奉納画を描こうかと思っています」って。

このときはねー、地震がとにかく不安だったのよ。
私の住んでいる地方で、地震の予兆となる雲が発生したとかで
一部でだいぶ大騒ぎしてたから・・・

結果的には何もなくて、とどこおりなく終わりました。

いや、それどころか大成功ですよ。


今は展覧会に来てくれたみなさんに
お礼の手紙&メールを送っている最中ですが
(まだやってるのです、なにせ200通以上だし/笑)

これが終わったら奉納画いきますよ、ええ。


しかもです、この奉納画は1枚でなく2枚なのですよ


なぜ、2枚描くことになったか・・・それは次回の記事をお楽しみに。

コメント

No title

お問合わせありがとうございます。
必要書類等は郵送していますので、ご住所をお知らせください。
お待ちしています。

事務:相良眞理

Re: No title

日本美術会 相良眞理様

こちらこそ、ご丁寧にコメントをありがとうございました。
住所はメールでお伝えいたします。

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