淵からの声―ある隊長の場合―  解説編

『淵からの声―ある隊長の場合―』にお付き合いくださいまして
ありがとうございました。


淵からの声 表紙0001

作品のために描いた表紙。


無事に連載も終わりましたので、
この作品について
作者みずからちょいと解説してみようと思います。




ファンタジー上の独裁国家を
舞台にした劇画としては、
まず第一作の『われ、深き淵へ』がありました。

2013年2月~3月くらいに、ブログで連載した作品です。


あのときはストーリーを提示するのにせいいっぱいで
終わってみればまだまだ、描き足りないところが見つかりました。

その足りないところをおぎないつつ、
同じストーリーを一人の登場人物の目線から再構築したのが
『ある隊長の場合』です。




今回、大きなテーマとなっているのが
「魂の目ざめ」です。
(第一作でもテーマにしてはいましたが、
 今回の方が徹底して描けました)

「魂」ウンヌンというと
妙に宗教じみてしまいますが、
簡単に言えば「自分の言動の重さや意味に気付くこと」です。
それがもっと深刻な事態になっているので、
「魂の目ざめ」とないう言葉になるわけです。

そこで描かなければならないのが
「意識しない悪」
「気付かないことの恐ろしさ・愚かさ」
でした。



本編の主人公・リードは
まさにこの「気付かない」状態のまま突っ走ってしまいます。

彼は自分のやっていることを
認識はしています。
あれだけ冷静に、相手を追いつめられるんですから。

しかし、そこから先は感性がマヒしているのです。


そんなリードを根底から揺り動かして
「目覚めさせる」役目をもつのが、
彼のもとに来た不思議な囚人です。

囚人の正体が「あれ」だったというのは
それこそファンタジーの世界ですが、
リードたちの悪を照らし出すための松明として
どうしても必要だったのです。

その松明は彼ら自身に向けても、悪を照らし出します。


もし普通の囚人だったら
リードたちの記憶に残ることもなかったでしょうし、
死体の埋められた場所が奇跡を起こすこともなかったでしょうからね。



「ある隊長の場合」は
『われ、深き淵へ』につづいて、「淵」シリーズの第二作となりました。

「淵」シリーズと書いたのは、
もしかしたら第三作が生まれるかもしれないからです・・・!

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プロフィール

探究者ニキ

Author:探究者ニキ
安藤ニキ
神奈川県横浜市生まれ、
慶応義塾大学文学部哲学科卒業の画家。
油彩・版画・ドローイングなど表現方法はさまざま。たまーに漫画も描きます。
作品のお問い合わせはnikiあっとando-kobo.jpへお願いいたします。

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