『ユダの福音書』の謎 其の二

クリスマスローズ144090001
さてさて、前回の記事の続きです。

キリストを裏切ったユダが書いた福音書があるらしい――
という話でしたね。


ディスカバリーチャンネルで、その『ユダの福音書』について
検証している番組がありました。
(ほかにもいくつか、検証されている福音書がありました)


結論から言えば「ない」そうです。
ガクッ




『ユダの福音書』とされる資料の年代を
調べた結果、
3世紀ごろのものと判明したとのこと。

記憶を頼りに書いているので
細部は間違っているかもしれませんが

まあそれでも、
キリストの時代よりはずっと後だったという結果でした。


研究によるとどうやら
グノーシス派異端の教義と関係があって、
『ユダの福音書』もグノーシス派によって
ねつ造されたものだ――と結論付けていました。


グノーシス派とは、
キリスト教以前からあったらしい
秘密結社的な宗教団体です。

これがのちにキリスト教と融合しますが
正統キリスト教会からは異端とされました。

信仰よりも知識を重んずるという立場で、
霊と物質との二元論を説きました。


グノーシスとはギリシア語で「知識」という意味です。
その名の通り、万物の存在理由を
知識によって解き明かすことで
神に近づこうとした団体だったそうです。



そういうグノーシス派が、
正統キリスト教会に対抗するために作ったのが
『ユダの福音書』だ、とのこと。




ただ、これだけで断言してしまうのは
いささか無理があるように思うんですね。
私としては。



だってそうでしょう。

原本がなくなって写本だけ残っている
というパターンは山ほどあるわけで。

ユダの福音書だってそうだったかもしれないんです。

現存する写本がのちの時代のものだったからといって、
内容までデタラメだという証明にはなりません。



たとえば、いま実際にある『福音書』だって
マタイやマルコの直筆原稿が残っているでしょうか。
少なくとも私は、そういう話を聞いたことがない。

もし現存するなら聖遺物確定ですし、
そんな重要な聖遺物が隠されたままでいるはずはないのです。

それでも、書かれている内容は“正典”として通用しています。



要するに、福音書が通用するかしないかは
“正典”として認められるかどうかにかかっているのでは。

『ユダの福音書』の内容は
どう考えたってローマ教会が認めるものじゃないですからね。




とはいえ、
『ユダの福音書』が認められることは
未来永劫ないでしょう(笑)。

ただ、キリスト教に接した人の中には
ユダの裏切りに何か「ひっかかるもの」を感じる人もいます。
私もその一人。

そういう人にとって、
ひとつの“手がかり”としての存在意義ならあるでしょう。
「そうか・・・キリストのお考えはここまで深かったのか」と。


もちろん誰にも言わず、
心の中で内緒で納得しておくためにね。

テーマ : 聖書・キリスト教 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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