殉教のドラマツルギー

ミズキ(赤)144180001


前回の「殉教MANIAC!!!其の二」で書いたことのつづきです。
演劇に作劇法=ドラマツルギーがあるように
現実の殉教にもドラマツルギーがあるらしい。というお話でした。



殉教にはまず、なんといっても
外部からの圧力がなければなりません。

次に、これにあくまで抵抗することで、
殉教が成立します。



大きな流れはこんな感じ。


国家と結びついた権力がある教えを禁じる

その教えを信じる者が
ひそかに地下にもぐって宣教を続ける

なにかのはずみでバレる

国家が力で弾圧する

念願かなって殉教する





殉教者のタイプによって
迫害者の姿は変わってきます。

戦争捕虜なら敵の軍人、
十字軍(国家に認められている場合の宗教上の殉教者)なら
対立する宗教となります。



しかしこの構図はほとんどかわりませんし、
迫害する側と
される側の対話にも
一定のパターンがあります。



とりあえず即席でシナリオ書いてみましょうか。



迫害者「いいか、すなおに我々に寝返ると言えば何もしない。いい待遇を与えてやるぞ」

殉教者候補「俺にそんなつもりはない。寝返るくらいなら死んだ方がましさ」

迫害者「ほう、大きな口を叩いてあとで後悔するな」

殉教者候補「勝手にしろよ」

迫害者「いいか、無駄な抵抗はよした方がいいぞ。
    我々はお前たちを殺すことだって認められているのだからな」

殉教者候補「いいさ、殺してくれたってかまわん。
      それで俺たちが根絶やしになることなんて決してないんだから」



~ここでしばし、映画『パッション』のような場面が展開される~


迫害者「どうだ?まだ意地を張る気か?」

殉教者候補「ふ、ふん!俺がだれだか知ってんだろ!」


~以下省略~





ほんとこれ、
固有名詞さえ変えればいつ、どこで、どの時代でも通用しそう。


主を賛美する歌を歌いながら
処刑されに行った殉教聖人と、
「インターナショナル」を歌いながら
処刑されに行った共産党員と(←実在!!)。

いったいどこが違うというのでありましょうか。


信じているものはちがえど、
そこに働く「殉教の心理」は同じなのです。




社会心理学の用語で
「ロミオとジュリエット効果」というのがあります。

周囲からの圧力が高まれば高まるほど
逆に愛情がつよくなる心理を言うのですが、
これもまた、変形された「ロミオとジュリエット効果」
かもしれません。

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

探究者ニキ

Author:探究者ニキ
安藤ニキ
神奈川県横浜市生まれ、
慶応義塾大学文学部哲学科卒業の画家。
油彩・版画・ドローイングなど表現方法はさまざま。たまーに漫画も描きます。
作品のお問い合わせはnikiあっとando-kobo.jpへお願いいたします。

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