人形じゃなくても顔が命!

これ、最近描いた絵です。天使シリーズ。

angel146300001.jpg
【“天使の顔 Ⅱ”   2014年7月 油彩 322x322mm】

私は四谷シモンの人形が大好きなんですけど、
考えてみるとシモン人形って
どれも様式化された顔なんですよね。





simongirl147010001.jpg
これは女の子の顔ですけど、
一目瞭然。

いかにも血の通った子供のようには
作っていません。

肌は不自然にどこも同じ色だし
目はあくまでぱっちりと大きく、
唇と鼻はとてもちいさい。



当然と言えば当然ですけど、
私はここに重要なことが隠れているように思います。

「美しさを追求すると、写実から遠ざかる」
のではないかと。

たとえば少女漫画のヒロインだって
皿みたいに巨大な目をしていますが、
可愛らしさの表現としてああいう様式になっているわけです。

しかし、だれもそれを不自然に思わないですよね。



私もよく「人物の顔がマンガっぽい」と言われてきました。

画学生時代には否定的な意味でそう言われていました。(今もか!?)
いかにもそこらにいる人間のように見えないからです。

なぜかそうなっちゃうんですよねぇ。
別にそうしようと思って描いてはいないのですが。
描きたい絵を自由に描け!という
シチュエーションだと、
かならず様式美に走ってしまう。


自分が美しい・好ましいと思える顔を自由に描いているだけなのに
なぜそれが悪いのか、大変に疑問でした。



顔のしわとか、たるみとか、肌のぬめぬめした質感とか、
まるで写真を写したかのように描くのは
なんだかわざわざ人間を醜く描いているように感じられるんです。
私にとって。



そういえば西洋美術で好きなのも
中世末期からルネサンス初期にかけてでした。
このころはまだ人間がリアルに描かれていないんです。
かなり仏画のような風情もあり、それこそ様式美。


アンジェリコ14702
※出典:http://www.hitsuzi.jp/news/2008/07/1251sheep.html

フラ・アンジェリコの「聖母戴冠」から。




今ではもう、これが自分の絵なんだと割り切ってますけどね。
様式美が私の絵の顔なんだと。

体臭の感じられるような人間は、
私の描きたいものじゃない。

作品のリアリティと写実は、別のところにあると思っています。

テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

味覚なども、完全に自然のものよりは、人工的に調理したものを美味しく感じるように、
視覚からの美的感覚も突き詰めていくと自然からは離れていくのかなと・・・

脳科学、とかそんなジャンルの話かもしれないですね。

現代の日本では、現実の異性よりも、紙の上や画面上に描かれた2次元の存在の方が好きな人が増えてるとか、どうとか・・・(笑)

Re: No title

そうそう、二次元への愛とかまさしくこれですよね!

美術品に描かれている顔とか、リアリティとはほど遠いものが多いですよ。
浮世絵とか、ああいう顔のバランスの人がいたら怖いって話です(笑)
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プロフィール

探究者ニキ

Author:探究者ニキ
安藤ニキ
神奈川県横浜市生まれ、
慶応義塾大学文学部哲学科卒業の画家。
油彩・版画・ドローイングなど表現方法はさまざま。たまーに漫画も描きます。
作品のお問い合わせはnikiあっとando-kobo.jpへお願いいたします。

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