“火宅”シリーズの話

こちら、最近の作品です。
水彩。

kataku151080001.jpg
【”火宅”シリーズより】

昔の原発事故の記録とか、
けっこうインスパイアされて描いてます。


ほかにこんなのも。





kataku151090001.jpg




原発事故にインスパイアされたと言っても
途中からどんどん私の世界になっちゃっているので
具体的などこのどういう事故か、はあまり関係がなくなってきます。

第一、作者の私も答えられないし(笑)



上の絵の人だって
たとえばいろいろな資料を見て
「この人だ!」と特定するのは不可能のはず。

作品にする時には
モデルが別にいるし、
もっと言えば、私の作った架空の人ですから。

しかもそこに独自のシンボリズムが大量に入ってきたりしてる。
もう元ネタの原型ないですね(笑)



こっちの世界で見たり聞いたりしたことが
作品の世界に深く影響しているとはいえ、
元ネタをそのまま表現するということは
私の場合、まずない。



作品になって出てくる段階って
いろいろ聞いた話がイメージの中でごっちゃになって
完全にファンタジーになってしまっている。


逆に言えば自身のファンタジーが確立するまで描かないんです。



なぜそんな手間をかけるのかって、
私にとって重要なのは
「その話を聞いてどう感じたか」だから。

どんな源泉があるにせよ
誰かに説教するために描くのではなく
自分をそのトラウマから救いたくて描いています。


自分の受けたショックを
昇華するには
「私なりの表現」を見つけないといけない。


ニュース映像を何万回
キャンバスにまる写ししたって意味がないんです。私にとっては。



立島夕子さんの作品が
絶大な迫力を持つのは、
原爆とかをテーマにしながら
完全に作者自身の世界として表現し得ているからだと思う。

作者の内実と結びついているからこそ
魂のこもった作品になっている。



ちなみに“火宅”というのは仏教用語で
燃えている家屋のこと。現世のたとえです。

今思いついたんですけど、
なんか松本清張が原発ネタで
ドキュメントノベルを書いたら
こういうタイトルつけそうですね(笑)

テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

探究者ニキ

Author:探究者ニキ
安藤ニキ
神奈川県横浜市生まれ、
慶応義塾大学文学部哲学科卒業の画家。
油彩・版画・ドローイングなど表現方法はさまざま。たまーに漫画も描きます。
作品のお問い合わせはnikiあっとando-kobo.jpへお願いいたします。

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