「なぜ」より大事なことがある

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発達障害の原因についてけっこう言われています。

私が診断を受けたときからいろんな説があったし
たぶん概念が生まれたときからなんでしょう。

化学物質のせいだという説もあれば
水銀だ、放射性物質だ、歳の差婚だ、遺伝だ、と
共通点がまるで分からないくらいバリエーション豊富なんだなぁ。




ただ当事者の私としては
反応のしようがないというのが正直なところ。

自分が生まれる前に「あったかもしれない」問題よりは
生まれちまったあとの現在の問題の方が
よほど重要だからです。




私は最近、「左利き」のことをよく考えます。

みなさんの中にも左利きの方は必ずいらっしゃるでしょう。


いろいろ話を聞くと
やはり日常生活で不便なことはあるんだとか。
右利きの人の方が多いため
ハサミとかカメラとか、どうしても右利き用が多いからだそうです。

それでも最近は両方らくに使えるように変わってきているといいます。
(左利きの方、そうなってますか?)




今でこそ左利きは普通のことで
「へーそうなんだ」ぐらいで済みますが、
昔はこれもほとんど障害とみなされていたそうです。

子供が左利きとわかるや
親は必死で右利きに矯正させたらしい。
左手を絶対に使わせないようにしたりしてね。



でも今では、そんな無茶なことをする親はいないでしょう。
それは左利きが「障害」ではなく、
ごく普通の特徴になったから。
世の中全般でそう捉えるようになったからではないでしょうか。

少なくとも左利きが発覚したからと言って
即座に仕事をなくしたりはしないはず。
(あるとしたら軍隊ぐらいかな?銃は右利き用オンリーだそうだから)



発達障害も左利きと同じくらい
普通のことになればいいなと思うんです。

そりゃ数としては少ないですけど。



そしてそのくらいになるまで、
原因探しはやめておいてほしいなとも思う。

だって、原因をあれこれ調べたところで
もうすでに生まれてしまった人間は変われないんですから。


子供が生まれる前のことで
あったかどうかも分からない親の責任を
問いただすことになったとしたら、
これって不毛の追求じゃないでしょうか。



化学物質や放射性物質や水銀なんて
たくさん身体に入れない方がいいに決まっています。

それはそれで気をつけるのは大切なことだけど、
生まれてくる人間の“問題の要因”と
はっきり断言されてしまうと
まずいというか困る人が多いのでは。



別に発達障害に限りません、
身体障害でもなんでもいいですけど、
親が普通の健康な子供を産みたいという願いは
決して非難されるべきものじゃないと思う。



でもそういう説を信じた親が
「産みたくない種類の子供を産まないために」、
水銀やら何やらを摂らないように必死で心がける。
これって何だか悲壮じゃありませんか?

別に欲しがれとは思いませんけどね。



さらに、その上で
なおかつ障害や病気のある子供が産まれたらどうなるか。

それこそ救いがないように思えませんか?
当事者の親子が。




何かこの手の原因究明って
「普通の人」と「そうでない人」の間を
かえって断絶させているように思えるんですなぁ。

テーマ : 発達障害
ジャンル : 心と身体

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プロフィール

探究者ニキ

Author:探究者ニキ
安藤ニキ
神奈川県横浜市生まれ、
慶応義塾大学文学部哲学科卒業の画家。
油彩・版画・ドローイングなど表現方法はさまざま。たまーに漫画も描きます。
作品のお問い合わせはnikiあっとando-kobo.jpへお願いいたします。

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