レジェンド・オブ・ヨコハマ 3月

「レジェンド・オブ・ヨコハマ」の3月分が掲載されました。


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今回のテーマは「旧横浜刑務所」。

ここには関東大震災の時のおどろくべき逸話があります。





震災によって
この旧横浜刑務所も大きな被害を受け、
当時の刑務所長であった椎名通蔵という人はある決断をしました。



24時間に限って囚人を解放する、という指令を出したのです。


これはちゃんと監獄法で定められていたそうです。

「天災事変が起きて監獄内で避難の集団がなく、よそへ護送する手段もない時は
24時間に限って囚人を解放する」(本文より)―と。



解放された囚人は1000人以上。



非常事態に刑務所の囚人たちが解き放たれたらどうなることかと
普通なら考えますよね。
この機会に乗じて逃げちゃうんじゃないの?と。
いや、それ以上に何をしでかすか分からないでしょ、と。



ところが。

なんとその大半がしっかり刑務所に帰還したそうです




挿絵を描くためにこの時のことについて調べてみましたら、
囚人たちが狼藉を働いたという話も出てきませんでした。
(あとで作られた話はあったらしいです)




むしろ、市民が自警団を作ったのですが
その自警団のほうが暴走して危なかったとか何とか。


大規模災害の時はデマが怖いといいます。
関東大震災の時も
「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「暴れている」「よからぬことをたくらんでいる」
などと噂が立ち
そのせいで自警団に殺された人がたくさんいた、というのは有名な話。

実際にそういう報道をした新聞記事が出てきたのには驚きましたが、
通信網が遮断されたため
新聞も噂話などをもとに記事を作っていたらしい。


これは資料によって被害者の人数に大きな開きがあるので、実態はよくわかりません。
(日本人でも襲撃された人がいたとか)
外交問題にまで発展したそうですよ。





極限状態でみんなピリピリしていますから
見るものすべて怪しく見えたのでしょう。


当時作られた「震災カルタ」みたいなのが出てきたのですが、
そこには
「自警団の目には石地蔵も人に見ゆ」とか書いてありましたから
想像つきます。



こういうときの心理って怖いですよね。
本人たちは自分が正しいつもりで行動しているのですから。

もっとも恐ろしいのは小市民の暴力だと
誰か言っていましたが、
「自警」の目的で犯罪者でも何でもない人が襲撃されたらシャレになりません。
(ほんと『デビルマン』の世界ですよ)





さて、囚人たちの話になりますが
もともと日本では囚人の脱走が少ないそうです。
震災直後の解放令なんて逃げるのに絶好のチャンスなのにねえ。
こういうのってほかの国だったらどうなるんでしょう。


そういえば原爆投下直後の広島で
広島刑務所の囚人たちが遺体の処理を手伝っていた、
という話を思い出しました。

真偽不明ですが、本当だとしたら・・・



人の心って不思議です。
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